教室の日常

汗水流して実践課題

高機の通常課題は技法習得の為のサンプル作りです。
織り幅は15センチ程。
 
この織り幅が50、60センチとなったら、
これまでと違って、どんな問題が起こるでしょう・・・。
 
そんなわけで、6月から課題に実践編2点を加えました。
 
 
 実践課題1 実践課題2
 
 
まず、50センチ幅の麻のストール。
天女の羽衣のように、透けている薄い布です。
 
生徒の皆さんの反応は、案の定・・・。
 
「糸が細すぎて見えなーい」
「本数が多くて、整経を間違えたー」
「タテ糸ひとりで巻きとれなーい」
「綜絖の通し順を間違えたー」
「タテ糸がブツブツ切れるー」
 
などなど、皆さん、汗と涙で大変!
織り上がるまで難所だらけです。
 
でも、織りの素晴らしいところは、
ひとつひとつ工程をこなしていけば、
最後はちゃんと完成する事です。
 
細い糸や本数の多さも、
作品数をこなしている内に慣れてきます。
 
素敵な作品が出来上がった時には、
今までの苦労はすっかり忘却の彼方。
 
また次の作品に挑戦したくなるから、やめられないのです。
 
 

夏の身近な素材

夏の身近な素材を使って涼しげな作品ができました。
 
ザルの中にあるのはトウモロコシの外皮。
干からびて、パリパリ。
 
ゴミ箱に捨てるのは、ちょっと待って!
 
 
 トウモロコシの外皮
 
 
これを水につけて、ふやかしながら手で裂きます。
短いけど、しっかりした強い繊維です。
 
丁寧に裂いた皮を重ねながらしっかり打ち込み織っていけば、
旬のコースターの出来上がり。
 
 
 旬のコースター
 
 
このコースターは生徒さん作。
ちょうど織りあがったところです。
 
うっすら緑がかっているのは、今年の新作の証拠。
 
年月が経つと、少しずつ酸化して茶色味がかりますが、
それもまた味わい深いものです。
 
自然素材の色の変化はソフトで嫌味がありません。
 
 
もうひとつは、ホオズキ。
生徒さんが作って来て下さいました。
 
 
 ホオズキ
 
 
トンボの羽のような細やかなネットの中に、
丸い朱色のボールがしっかり守られてます。
 
普段は、赤い外皮で覆われて見ることができない光景。
ハッ!とします。
 
なんて綺麗な繊維の絡み合いなんでしょう。
 
私も作ってみたくて作り方を伺ったところ、至って簡単。
 
外皮が腐って繊維の間から溶けて来るまで、水に浸けておくだけ。
 
水にプカプカ浮いてしまうので、
濡れ布巾を上からかけおくのがコツ。
 
腐った外皮で水はドロドロになるので、
毎日の水替えが大事だそうです。
 
うーん、簡単そうだけど、根気がいるかも・・・。
 
トウモロコシもホオズキも素晴らしい繊維を持ってますね。
自然の力に感動します。
 
 

「木綿の種まき」その後

5月に生徒さんたちが自宅で蒔いた木綿の種。
育ち具合は“様々”です。
 
「今、花盛り」と言う方のお写真を見せていただきました。
薄いクリーム色の花が涼し気です。
 
 
 木綿の種まき1 木綿の種まき2
 
 
白い綿毛には、白い花なんですね。
茶色い綿毛は、赤っぽいお花になる様です。
 
一本の苗木から赤と白の花が咲いた方もいて、
こんな事もあるもんなんだと、
自然の不思議を感じさせられます。
 
さて、教室の苗木はと言うと・・・
 
「惨敗」です。
 
 
 木綿の種まき3
 
 
20粒も種を蒔いたのに、発芽したのはわずか4本。
その貴重な小さな芽も、南からの強い風に当たって全滅。
 
同じ頃、発芽した芽を間引いた生徒さんから、
苗を10本ほどおすそ分けしていただきました。
 
ところが、またもや南からの強風で葉がしおれて吹っ飛び、
茎だけがボッーと土に刺さっている感じに・・・。
 
2本だけ何とか持ち堪えています。
でも、ひょろひょろで、花は咲きそうにありません。
 
種から育てるのって、大変ですね。
 
 
 

柚木沙弥郎展

日本民藝館でダイナミックな型染めの展覧会が開催中です。
 
「柚木沙弥郎展」
 
先日、NHKの日曜美術館で紹介されていましたので、
ご覧になった方も多いと思います。
 
現在、95歳。
 
このお年でひとり暮らし、
そして今でも現役で制作に励んでいるお姿を見て、
「カッコイイ」の一言です。
 
 
 柚木先生の本
 
 
柚木先生は、私の学生時代の恩師です。
 
大学では染織全般にわたって学ぶ為、
型染めを柚木先生、織物を柳悦孝先生に学びました。
 
当時は、柳宗悦の唱える民芸論の色濃い学風があり、
私は、ひたすらこの民芸臭さに抵抗しながら、
ポップな感覚を求めていた気がいたします。
 
柚木先生の凄いところは、大学を退官されてからです。
 
見事にこの民芸から脱出し、アートの領域に入った事です。
 
今の時代にしなやかに対応し、
試行錯誤しつつご自分を常に変化させて来たところです。
 
前回の記事に登場の92歳のお婆様も凄かったですが、
柚木先生のパワーからも凄く元気をいただきました。
 
教室でこのお二人の話をしたところ、
皆さんも、80歳までは自分の織っている姿がイメージできたようです。
 
柚木沙弥郎展は6/24までです。
 
 

92歳でまだまだお元気

88歳になるまでの二十数年間、お稽古にいらしていた生徒さんが、
先日おひとりで訪ねて来て下さいました。
 
現在、92歳の一人暮らし。
 
このお婆様、只者ではありません。
 
88歳の頃、体調を崩され長く入院生活をなさったのですが、
そこからリハビリを経て見事に復活。
 
再び一人で歩けるようになり、一人で暮らしているのです。
 
私より身体も声も大きく、頼りになる親分と言った感じの方で、
政治経済に詳しく、社会の動きも常にチェック。
 
タブレットを持ち歩き、
情報収集、写真撮影、メールなどを楽しんでいるそうです。
 
今の時代にちゃんと乗っかり、しっかり生きてます。
 
「ぶら下がって生きちゃダメよ」
 
この言葉がお婆様の口癖。
しっかり自分の力で生きなさいと言う事です。
 
85歳でそれまで織った綴れ織りの作品十数点を集め銀座で個展をしました。
 
 
 作品
 
 
まるで絵画のような緻密な綴れ織りに、誰もが感心しっぱなし。
何をやっても凄いのです。
 
誰でもが、このお婆様のようなわけにはいかないかもしれませんが、
いくつになっても人生を楽しんで暮らしているご様子は、
とっても励みになりました。
 
そう言えば、
 
「終わり良ければ全て良し」
 
も、このお婆様の口癖でした。
 
素敵な年を重ねて生きていきたいですね。
 
 
 
 

沖縄の染織工房巡りの旅

沖縄は、日本の中でも特に染織品に優れた地域です。
 
南方からいろいろな染織技術が渡来し、
琉球王国の産業として独自に発展したせいだと言われています。
 
 
 沖縄
 
 
沖縄でいろいろな染織工房を巡り、
手織りの体験をして来た生徒さんがいます。
 
これは、お借りした工房のパンフレットと体験作品の数々。
 
沖縄の染織品のほとんどが重要無形文化財に指定されており、
昨今、これらの着物や帯を目にするのは、
美術館や超高級呉服店、着物雑誌のグラビア写真になってしまいました。
 
日常の生活の中では見かける事が滅多にありません。
 
そんな中、貴重な体験作品を見せていただき、
生徒の皆さんも興味しんしん。
 
教室では、この沖縄の花織をイメージした浮き織りの作品を
高機の課題として織っています。
 
いつの日か、沖縄の染織を訪ねた旅をしてみたいものです。
 
 
 

綿の芽

5月5日、水に一晩ふやかしておいた綿の種を蒔きました。
 
ところが、一向に芽が出て来ません。
 
種がダメになったかなぁ~と、
水やりをしながらヤキモキする日々。
 
10日以上たって、
やっと種のクズを付けたままの
“か弱い芽”がでました!
 
 
綿の芽
 
 
20粒も蒔いたのに、芽はまだ2つ。
残りの種はどうしてるのやら・・・。
 
果たして、私の綿の芽は大きく育つのでしょうか? 心配。
 
今回、25人くらいの生徒さんが種を蒔きました。
 
最近、次々と「芽が出たよ」と教えて下さいます。
 
土、空気、水、光、気温、栄養などの環境によって、
同じ種でも少しずつ育ち方が違うんだと良くわかります。
 
どのくらいの人が綿の収穫までたどり着くのでしょうかね。
 
 
 

織り上がりまで、あと一歩。

織り上がりまで、あと一歩。
今日終わるかな~、と思いつつ完成は次回になりました。
 
幸せを呼ぶ青いゾウさん。
 
デザインから始まり、色を探し、織り上げるまで、長い道のりです。
4時間織って3センチくらいの進み方。
 
その分、完成した時の達成感はひとしおかと思います。
 
努力の後には、きっと幸せが舞い込んでくる事でしょうね。
 
 
 青いゾウ
 
 
 

新緑の公園

満開の桜に春を感じていたのもつかの間、
あれから一か月ほどで公園はすっかり新緑。
まるで、初夏のようです。
 
 
 新緑の公園
 
 
目にも鮮やかな若葉は、
ぼんやりと見ているだけで心が癒されます。
 
木立の中を歩くと、
爽やかな風や木々の香りが感じられて、
元気になります。
 
人間の脳は、
新緑を見ると「癒されスイッチ」が入るように
出来ているんだと感じます。
 
教室の帰り道に、
公園のお散歩を楽しんでいる生徒さんもいらっしゃいます。
 
 

教室の玄関

玄関脇の小さなスペース。
自分の作品で季節感のあるコーディネートを楽しんでいます。
 
 
 教室の玄関
 
 
こんな小さな空間なら、
どこのお宅にもひとつくらいはあるはずです。
 
小さな綴れ織りやセンターなど、
自作の作品を飾って季節を楽しむのも良いです。
 
本日は、五月のお節句飾り。
綴れ織りのこいのぼりと、お家のモチーフの額絵。
 
テーブルセンターは、木肌のような色合いの裂織りです。
季節の生け花と共に陽気な感じにまとめたつもり。
 
ちなみに、このお花の名前はアストロメリと言い、
日本名はユリズイセン。
 
いろんな色があって良く見かけるお花ですが、
花の名前は知りませんでした。
 
花言葉は「凛々しさ」と記されていました。
五月のお節句にぴったり。
 
矢車草やショウブの花は、これから市場に出回って来ます。
そうしたら、またコーディネートを変えましょう。
 
こんな風に小さな手織りで楽しめるのです。